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Qフローレンス法と脊椎固定術はどう違うのか?

Qフローレンス法は、脊柱管狭窄症・すべり症・腰椎不安定症に対する先進的な治療法です。

脊柱管狭窄症、すべり症などには一般的に脊椎固定術が適応されますが、今回は、Qフローレンス法と固定術の違いに関して解説します。

Qフローレンス法とは

Qフローレンス法は、QFusionというスペーサーを背骨の棘突起間に入れることで、椎体の安定化を図ります。狭くなっていな脊柱管が広がり、神経の圧迫がとれて、痛みやしびれなどの症状が改善されます。

施術は局所麻酔と鎮静にて、X線透視装置を使用しながら行われます。切開は1~3㎝で、専用のチューブを通してスペーサーを挿入します。スペーサーが棘突起間に入ることを確認して、スペーサーの羽根をあけて棘突起間に固定します。

靭帯を切除したり骨を削ったりしない低侵襲な施術で、リスクが少ないです。

挿入されるスペーサーは特殊な形状で開発されていますので、術後は背中を曲げる・反る・ひねるなどの動作に制限がありません。

Qフローレンス法の適応

Qフローレンス法は、腰部脊柱管狭窄症、軽度~中度のすべり症、椎間孔狭窄症、腰椎不安定症に適応されます。

Qフローレンス法の効果

Qフローレンス法では、棘突起間にスペーサーを留置することで狭くなった脊柱管を広げ、不安定となっている背骨を安定化させます。そうすることで、神経の圧迫が軽減され、腰痛や足の痛み・しびれの改善が期待されます。

施術は特殊な専用の器材で低侵襲に行われるため、背骨の安定性のために重要な役割を果たす靭帯も最大限温存することができます。

Qフローレンス法のリスク

脊柱管狭窄症の原因によっては治療効果が出にくい場合もあります。重度のすべり症(グレード3以上)は適応外です。骨粗鬆症の場合は骨折のリスクがありますので、適応が胃となります。

脊椎固定術

固定術は全身麻酔にて行われます。

背部を3~4㎝程切開し、靭帯を切除したり、変性した椎間板等を取り除いたりして、スクリューとロッドを使用して二つ以上の背骨を固定します。

固定術は、椎弓切除術(椎弓の一部と黄色靭帯を切除して脊髄の圧迫を取り除く手術)とセットで行われる場合があります。

脊椎固定術の適応

脊椎固定術は様々な脊椎疾患に適応されます。椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎分離症・すべり症、腰椎不安定症、脊椎側弯症、脊椎骨折などはその主な疾患です。

また、腰椎疾患だけでなく、頸椎疾患も対象となる場合があります。

脊椎固定術の効果

脊椎固定術は、脊椎の安定化をはかるために有効です。しかし、背骨が金属のプレート等で固定されますので、術後は腰部の動きが制限されます。

脊椎固定術のリスク

脊椎固定術は次のような合併症が発生する可能性があります。

・体に入る金属のスクリュー・ロッド等の折損

・脊髄や神経の損傷による麻痺

・手術した部分に膿がたまる恐れがある

・隣接の椎間板などに負担が増加し、新たなヘルニアや脊柱管狭窄症が発生してしまう

・血腫形成による神経麻痺

・骨粗鬆症で骨が弱い場合は固定した背骨がつぶれてしまう

まとめ

Qフローレンス法脊椎固定術
麻酔局所麻酔+静脈麻酔全身麻酔
切開1~3㎝3~4㎝
骨・靭帯などへの影響なしあり
治療時間約30分/1箇所1~1時間半
入院期間日帰り1~2週間
術後の動きの制限なしあり