腰痛のレントゲン

Qフローレンス法の治療方法

Qフローレンス法の効果

Qフローレンス法では、棘突起間に専用の器具を挿入することで狭くなった脊柱管を広げ、スペーサーを留置することにより不安定となっている背骨を安定化させます。
不安定となっている背骨が安定化し、狭くなっていた脊柱管が拡大し神経の圧迫が軽減されることで、腰痛や足の痛み・しびれの改善が期待できます。
また、手術は特殊な専用の器材で低侵襲に行われるため、背骨の安定性のために重要な役割を果たす靭帯も最大限温存することができます。

Qフローレンス法の治療方法

Qフローレンス法は、局所麻酔+鎮静にて、X線透視装置を使用しながら、腰の側面を2~3㎝程切開し、治療する腰椎の棘突起の間に細いチューブ状の専用器材を留置します。
そのチューブ状の専用器材の中を通してスペーサーを適切な位置まで挿入します。
棘突起間にスペーサーが収まったら羽根を広げて棘突起間にしっかりと固定します。
棘突起間にスペーサーを入れる過程で狭くなっている脊柱管が広がり、デバイスの羽根を開くことで不安定になっている背骨の安定化を図ります。

  • 治療前

    Qフローレンス法の治療方法1

    変性した椎間板や肥厚した黄色靭帯によって脊柱管が圧迫されている状態

  • 治療

    Qフローレンス法の治療方法2

    棘突起間にスペーサーを挿入することで肥厚した黄色靭帯などが伸ばされ脊柱管が拡がる

  • 治療後

    Qフローレンス法の治療方法3

    スペーサーの羽を拡げることで
    棘突起間に固定する

  • 治療後のレントゲン画像

    Qフローレンス法の治療方法4

    狭くなっていた脊柱管が拡がると、腰や下肢の痛み・
    痺れなどの症状緩和が期待できる

スペーサーの挿入・固定により、腰椎のすべりも少し改善されるため、すべり症の方の腰や下肢の痛み・しびれなどの症状緩和も期待できます。
従来の外科的手術では、骨を削ったり靭帯などを切除したり、場合によっては脊椎を固定したりすることで症状を緩和させていますが、リスクが高く、高い再発率となっています。
手術後の再手術率は、2年以内に8%、10年以内に23%とされています。*1

*1 参照元:James N. Weinstein, et al. Surgical versus Nonsurgical Therapy for Lumbar Spinal Stenosis. The New-England Medical Review and Journal, 358(8), 2008. Steven J Atlas, et al. Long-Term Outcomes of Surgical and Nonsurgical Management of Lumbar Spinal Stenosis: 8 to 10 Year Results from the Maine Lumbar Spine Study. Spine, 30(8), 2005.

Qフローレンス法と
従来の外科的手術の比較
Qフローレンス法 椎弓切除術
脊椎固定術
骨・靭帯などへの影響 なし あり
治療時間 約30分
(1箇所)
1~1時間半
麻酔 局所麻酔+静脈麻酔 全身麻酔
入院期間 日帰り 約1カ月
切開 1~3㎝ 3~4㎝
術後の動きの制限 なし あり

Qフローレンス法は、大きな切開をせず、骨を削ったり靭帯を切除したりせず、低侵襲で行われるため、治療後の合併症や症状の再発に関する報告がありません。

●下記の場合はQフローレンス法が適応外です。
脊柱管狭窄症の原因が椎間板や骨による影響が大きい場合は、Qフローレンス法の効果見込みが低いため、適応外となるケースがあります。
骨粗鬆症の場合(特に重度な場合)は骨折のリスクがあるため、適応外となります。
デバイスの成分や麻酔薬によるアレルギーがあることが知られている方、重度の肥満のある方、うつ病、その他痛みの解釈が困難な状態にある方には使用できません。
また、妊娠中の方には適応していません。

腰部脊柱管狭窄症の治療結果

  • Qフローレンス法の治療前のレントゲン
  • Qフローレンス法の治療後のレントゲン

●Qフローレンス法の治療前後のX線写真(腰を横から撮影)デバイス埋入により、脊柱管が拡大し、すべりも若干改善されています。